令和7年第2回愛川町議会定例会：熊坂健太郎議員の一般質問について

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令和7年第2回愛川町議会定例会 一般質問

熊坂健太郎議員「企業誘致条例について」要約（約10,000字）

1. 質問の冒頭

熊坂健太郎議員は「愛川の新時代」を掲げ、一般質問のテーマを「企業誘致条例」に絞って展開。平成18年度の条例制定以来、複数回の改正を経てきた経緯を踏まえ、令和6年4月改正後の実績、企業進出と既存企業の継続支援、課題について町長に質した。

2. 小野澤町長の答弁

• 条例の目的と改正経過平成18年度に産業振興を目的として制定。平成23年度・28年度・令和元年度に雇用奨励金要件の緩和や適用回数制限撤廃を実施。令和6年改正では適用期間を5年間延長し、固定資産税・都市計画税を初年度2年間は全額免除、残り3年間は5分の1に軽減。

• 直近の実績既存事業者による研究施設の増設、償却資産増資が確認されている。新規進出や増資の相談も継続的に寄せられている。

• 取組と課題・広報紙やHPで周知・神奈川県企業誘致促進協議会でのPR・ハローワークと合同説明会を開催予定・融資制度の周知による中小企業支援ただし、資金調達の困難さや世界情勢の不透明さから、企業側が慎重姿勢を示している点が課題。

3. 熊坂議員の再質問

• 過去の議会質問を踏まえた評価令和5年12月議会での条例改正検討の質疑を振り返り、今回の改正で企業が利用しやすくなった点を評価。

• 条例適用件数の確認商工観光課長の答弁：・延べ12件・業種は製造業と自然科学研究所・うち戦略産業は1件（ロボット関連製造業）

• 目標値と評価第6次総合計画の成果指標では令和10年度までに15件が目標。既に12件であり、残り3件に期待。

4. 奨励措置の実績

• 税軽減以外の措置について・太陽光発電設備設置：1件・雇用奨励金：2件・屋上緑化は実績なし

• 熊坂議員の評価と要望・税軽減が中心であるが、環境配慮設備や雇用奨励金の利用をもっと広めるべき。・企業にアンケートを行い、支援条件が厳しいのか、支援内容が不足しているのか調査を要望。

5. 就業者転入奨励金制度の課題

• 現状愛川町以外に住む者が町に転入し、住宅を取得すれば50万円交付。→ 実績なし。

• 熊坂議員の指摘・「住宅取得」の条件が厳しすぎる。・転入初期はアパートや社宅が多い。・賃貸からでも奨励金を支給し、後に住宅取得時に追加交付する仕組みにすべき。

• 比較事例・介護・看護・保育職：15万円＋引っ越し5万円（計20万円）・幼稚園教諭：5万円＋引っ越し5万円（計10万円）→ こうした制度を参考に条件緩和を提案。

6. 条例対象業種について

• 現状対象製造業、情報通信業、自然科学研究所、宿泊業。

• 設定理由（商工観光課長答弁）関係団体からの要望、近隣自治体の事例、県のロボット産業特区との連携、過去の実績を踏まえ総合的に判断。

• 熊坂議員の提案・小売業を対象に追加し、買物不便地域の解消を目指す。・スーパーやドラッグストア進出を促す施策を求める。

7. 周知とPRの重要性

• 熊坂議員の要望・条例改正時には、必ず既利用企業へ周知すること。・複数回利用する企業もあり、リピート利用の可能性を高めるべき。・内陸工業団地協同組合、愛甲商工会との情報共有を徹底すること。

8. 神奈川県企業誘致促進協議会

• 概要（商工観光課長答弁）・平成6年設立。県、16市4町、民間2団体＝計23団体で構成。・事業内容：産業用地案内、優遇制度冊子、メールマガジン、全国フェア参加など。

• 町への情報提供・新規企業や既存企業の用地ニーズ情報を毎月配信。・日本立地センターの情報提供。・候補地が特定されれば個別対応。

• 熊坂議員の評価・非常に有益な情報であり、迅速に対応できる体制を求める。

9. 中小企業支援制度

• 先端設備等導入計画認定制度・平成30年度以降70件認定。・対象業種は全業種。・主な利用は製造業、産業廃棄物処理業、建設業、卸売業。→ 熊坂議員は「幅広い業種が活用できる制度」と評価。

10. 総括と要望

熊坂議員は次の点を強調して質問を締めくくった。

1. 企業誘致条例は長期的に税収増や雇用創出に寄与する重要な制度である短期的な税収減はあるが、雇用拡大・定住促進により町の活性化につながる。

2. 制度改正に向けた調査研究を継続すべき利用企業や団体からの声を聞き、ニーズに即した緩和・改善を求めた。

3. 新規進出を増やすため産業用地確保が不可欠内陸工業団地は既に空きがない。圏央道など交通利便性を背景に、新たな産業用地整備を進めれば、さらなる発展が期待できる。

まとめ

熊坂健太郎議員は、企業誘致条例を中心に「実績・課題・今後の方向性」を丁寧に検証した。特に、

• 税軽減以外の奨励措置の利用促進

• 転入奨励金制度の条件緩和

• 小売業追加による買物不便地域の解消

• 神奈川県協議会情報の活用強化

• 中小企業支援の周知徹底

• 新たな産業用地確保これらを柱に、町の産業振興と人口増加に資する政策展開を求めた。